病院WordPressサイトのPHPバージョン早見表|今のWordPressでいくつまで上げられる? プラグイン対応状況も解説【2026年版】

病院WordPressサイトのPHPバージョン早見表|今のWordPressでいくつまで上げられる? プラグイン対応状況も解説【2026年版】

医療サイト関連情報 / バージョン・プラグイン情報の確認日:2026年11月3日

「サーバー会社から『PHPのバージョンを上げてください』という案内が届いたけれど、今のWordPressのバージョンでPHPのバージョンをいくつまで上げられるのか分からない」「PHPのバージョンを上げたら予約フォームが動かなくなった、という話を聞いて不安になっている」。PHPの脆弱性が公表されて以降、病院・クリニックのホームページ担当者様から、このようなご相談が増えています。

PHPをいくつまで上げられるかは、WordPress本体のバージョンで決まります。WordPress 6.3以前のままでは、2027年以降もサポートが続くPHPには上げられません。また、プラグインに表示されている「必須PHP」は下限の表示であり、新しいPHPで動くことを保証するものではありません。この2点を知らないままPHPだけを切り替えると、予約フォームの停止や画面の表示崩れなど、患者様に直接影響するトラブルにつながります。

この記事では、2026年11月時点の情報をもとに、病院WordPressサイトのPHPバージョン早見表として「今のWordPressでいくつまで上げられるか」を整理します。あわせて、Contact Form 7・MW WP Formなど日本の病院サイトでよく使われるプラグインの対応状況、予約・問い合わせフォームを止めない更新手順、そして自院だけで判断すべきでないケースまで解説します。

要約

PHPを上げられる上限は、WordPress本体のバージョンで決まります。WordPress 6.3以前のままでは、2027年以降もサポートが続くPHP 8.3以上に上げられないため、PHPより先にWordPress本体の更新が必要です。プラグインの「必須PHP」は下限の表示で、上限は書かれていません。特にContact Form 7は最新版でPHP 8.3以上が必須になり、MW WP Formは必要最小限の保守のみです。PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日で終了するため、年末年始の休診案内を出す前に方針を決めましょう。病院サイトでは予約・問い合わせフォームを止めないことを最優先に、検証してから切り替えることが大切です。判断が難しい場合は、医療機関のサイトに詳しい専門家への相談をおすすめします。

PHPを上げる前に知っておきたい「3つのバージョン」の関係

WordPressで作られた病院ホームページは、大きく分けて3つの階層のソフトウェアで動いています。PHPのバージョンアップで不具合が起きる原因のほとんどは、この3つの関係を確認しないまま、どれか1つだけを更新してしまうことにあります。

  1. PHP(土台):サーバー上でWordPressを動かすプログラミング言語です。レンタルサーバーの管理画面から切り替えます。
  2. WordPress本体(建物):ホームページの本体です。本体のバージョンによって、対応できるPHPの範囲が決まっています。
  3. テーマ・プラグイン(内装・設備):デザインを決めるテーマと、予約フォーム・セキュリティ・SEOなどの機能を追加するプラグインです。それぞれが対応するPHP・WordPressの範囲を持っています。

土台であるPHPを新しくしても、その上に載っているWordPress本体やテーマ・プラグインが新しいPHPに対応していなければ、ページが表示されない、管理画面に入れない、フォームが送信できない、といった不具合が起こります。「PHPはいくつまで上げられるか」という質問の答えは、PHP単体ではなく、WordPress本体・テーマ・プラグインの3つの対応状況を重ねて初めて決まります。

病院サイトで特に影響が大きい不具合

  • 予約・問い合わせフォームの停止:予約や問い合わせが届かなくなると、患者様の受診機会を失うだけでなく、電話が集中して受付の負担が増えます。
  • 管理画面に入れなくなる:休診日のお知らせ、担当医の変更、年末年始の診療案内をすぐに更新できなくなります。
  • 放置による改ざんリスク:古いPHPを使い続けると脆弱性が残り、医薬品スパムや誇大な表現のページを挿入される改ざん被害につながるおそれがあります。医療機関として不適切な発信をしている状態になりかねません。

2026年11月時点のPHPサポート状況

2026年10月、IPA(情報処理推進機構)からPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)への注意喚起が公表され、修正版としてPHP 8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12が案内されました。[1]この対応を機に、自院サイトのPHPバージョンを初めて確認した、という病院も多いのではないでしょうか。

ここで押さえておきたいのは、各PHPバージョンの「セキュリティサポート期限」です。期限を過ぎたバージョンには、新しい脆弱性が見つかっても修正が提供されません。[2]

PHPバージョン別・セキュリティサポート期限(2026年11月3日時点)
PHPバージョン セキュリティサポート期限 病院サイトでの位置づけ
PHP 8.5 2029年12月31日 最も長く使える最新ブランチ。ただし対応していないテーマ・プラグインに注意
PHP 8.4 2028年12月31日 当面安心して使える。WordPress 6.7以降で対応
PHP 8.3 2027年12月31日 多くの病院サイトで現実的な移行先。Contact Form 7最新版の必須条件
PHP 8.2 2026年12月31日(まもなく終了) 今年の脆弱性対応で8.2に上げた場合も、年内にもう一度判断が必要
PHP 8.1以前 サポート終了(EOL) 新しい脆弱性が修正されない状態。早期の移行が必要

注目していただきたいのは、PHP 8.2のサポートが2026年12月31日で終了する点です。10月の脆弱性対応で「とりあえず8.2の修正版に上げた」という病院サイトも、2か月以内にもう一段の判断が必要になります。この期限は、多くの病院が年末年始の休診案内をホームページに掲載する時期と重なります。年末の繁忙期に慌てて作業しないために、11月中に「どこまで上げるか」の方針を決めておくことをおすすめします。

【早見表】WordPressバージョン別・使えるPHPの上限

それでは本題の早見表です。WordPress公式の互換性情報をもとに、WordPress本体のバージョンごとに使えるPHPの範囲と上限を整理しました。[3]自院のWordPressのバージョンと照らし合わせてご確認ください。

WordPressバージョン別・使えるPHPの上限(2026年11月3日時点)
WordPress 対応PHP PHPの上限 2027年以降もサポートが続くPHPを使えるか
7.0 / 7.1 7.4〜8.5 8.5 ◎ 使える(8.3〜8.5)
6.9 7.2〜8.5 8.5 ◎ 使える(8.3〜8.5)
6.7 / 6.8 7.2〜8.4 8.4 ○ 使える(8.3〜8.4)
6.4〜6.6 7.0(6.6は7.2)〜8.3 8.3 △ 8.3まで(2027年末まで)
6.1〜6.3 5.6/7.0〜8.2 8.2 ✕ 使えない(8.2は2026年末で終了)
5.9 / 6.0 5.6〜8.1 8.1 ✕ 使えない(8.1はサポート終了)
5.6〜5.8 5.6〜8.0 8.0 ✕ 使えない
5.3〜5.5 5.6〜7.4 7.4 ✕ 使えない
4.7〜5.2 5.2〜7.1〜7.3 7.3以下 ✕ 使えない

この表から分かるとおり、WordPress 6.3以前のままでは、2027年以降もサポートが続くPHP 8.3以上には上げられません。「サーバーのPHPを上げたいのに選べない」「上げたら画面が真っ白になった」という場合、原因はPHPではなくWordPress本体の古さにあることがほとんどです。PHPより先に、WordPress本体の更新を検討する必要があります。

自院のWordPressとPHPのバージョンを確かめる方法

現在のバージョンは、次の場所で確認できます。管理画面にログインできることが前提ですので、ログイン情報が分からない場合はその時点で制作会社や専門家への相談をおすすめします。

  • WordPressのバージョン:管理画面の「ダッシュボード」→「概要」、または「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「WordPress」で確認できます。
  • PHPのバージョン:「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で確認できるほか、レンタルサーバーの管理画面(PHP設定・PHPバージョン切替などの項目)でも確認できます。
  • テーマ・プラグインの一覧:「外観」→「テーマ」、「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」で、名前とバージョン、更新の有無を確認できます。

今のWordPressのままだと、PHPはいくつまで上げられる?

早見表を踏まえて、自院のWordPressのバージョン別に「今のままでいくつまで上げられるか」「次に何をすべきか」を4つのパターンに分けて説明します。

パターン1:WordPress 6.9以降 → PHP 8.5まで上げられます

WordPress 6.9以降(7.0・7.1を含む)であれば、最新のPHP 8.5まで対応しています。ただし、WordPress本体が対応していることと、使用中のテーマ・プラグインが対応していることは別の問題です。特に制作会社が独自に作ったオリジナルテーマは、新しいPHPで検証されていないことがあります。いきなり8.5にせず、まずはサポート期間とプラグイン対応のバランスがよいPHP 8.3〜8.4を検証し、問題がなければ切り替える進め方が現実的です。

パターン2:WordPress 6.4〜6.8 → PHP 8.3〜8.4までは可能。本体更新も視野に

WordPress 6.7〜6.8なら8.4まで、6.4〜6.6なら8.3まで上げられます。2027年末まではサポートが続くPHPを使えるため、緊急性はパターン3・4より低いものの、WordPress本体をあわせて最新系へ更新しておくと、次回以降のPHP更新の選択肢が広がります。本体の更新では管理画面や編集画面の挙動が変わることがあるため、更新担当の職員への影響も含めて計画しましょう。

パターン3:WordPress 6.1〜6.3 → 上限はPHP 8.2。年内に本体更新の判断が必要です

このパターンが、いま最も注意が必要です。上げられる上限のPHP 8.2は、2026年12月31日でセキュリティサポートが終了します。つまり、今のWordPressのままでは、2027年以降「サポートの切れたPHPで病院サイトを運営し続ける」状態になります。PHPの設定変更だけでは解決できず、WordPress本体の更新が必須です。本体を複数バージョンまたいで更新する場合、テーマやプラグインとの互換性確認が複雑になるため、検証環境での事前確認を強くおすすめします。

パターン4:WordPress 5.x以前 → 部分的な更新より、リニューアルの検討を

WordPress 5.x以前の場合、上げられるPHPはすでにサポートが終了したバージョンばかりです。本体・テーマ・プラグインのすべてが古く、1つずつ更新していくと、かえって工数と不具合のリスクが膨らみます。使用中のテーマが現行のWordPressに対応していないことも多く、「改修して延命するか、リニューアルで作り直すか」をコストとリスクの両面から比較する段階です。この判断には、テーマの作りやプラグインの依存関係を読み解く専門的な調査が必要になるため、医療機関のサイトに詳しい制作会社への相談をおすすめします。

日本でよく使われるプラグインのPHP対応状況

WordPress本体の対応範囲を確認したら、次はプラグインです。日本の病院・クリニックサイトでよく使われるプラグインについて、2026年11月3日にWordPress.orgの公式ページで確認した対応状況をまとめました。

表を読む前に、重要な注意点があります。プラグインページに表示される「必須PHP」は下限の表示であり、上限は書かれていません。「必須PHP 7.4以上」と書かれていても、PHP 8.4や8.5で問題なく動くことを保証するものではありません。新しいPHPで動くかどうかは、「動作確認済みWordPress」のバージョン、最終更新日、変更履歴(Changelog)にPHP対応の記述があるかを合わせて判断します。

日本でよく使われるプラグインの対応状況(2026年11月3日にWordPress.orgで確認)
プラグイン(確認時の版) 必須PHP 必須WordPress 動作確認済みWordPress 注記
Contact Form 7(6.2.4.1) 8.3以上 7.1以上 7.1.4 最新版はPHP 8.3以上・WordPress 7.1以上が必須。PHP 8.2以下の環境では最新版に更新できない
MW WP Form(5.1.8) 8.0以上 6.0以上 6.4.14 必要最小限の保守のみ。2026年4月に脆弱性(CVE-2026-4347)を修正。新しいWordPress・PHPでの動作確認は進んでいない
SiteGuard WP Plugin(1.8.10) 記載なし 6.0以上 7.1.4 1.7.5/1.7.6でPHP 8.x環境のエラーを修正。古い版のまま使うと不具合のおそれ
XO Security(3.11.0) 7.2以上 6.0以上 7.0.8 3.11.0で二要素認証の回避を修正。版を上げてから使う
All in One SEO(5.0.4) 7.4以上 5.7以上 7.1.4 継続的に更新されている
BackWPup(5.7.8) 7.4以上 5.3以上 7.1.4 PHP 8.4関連の不具合を修正済み
WP Multibyte Patch(3.0.4) 記載なし 記載なし 7.1.x 日本語サイトの定番。更新は継続
Advanced Editor Tools(5.10.1) 5.6以上 6.5以上 7.1.4 旧TinyMCE Advanced。5.10.0でWordPress 7.0以降のクラッシュを修正
XML Sitemap Generator for Google(4.1.25) 5.0以上 4.6以上 7.1.4 継続的に更新されている
Smart Custom Fields(5.0.8) 7.4以上 6.4以上 6.8.12 「最新3つのメジャーリリースで未テスト」の警告あり。新環境では要検証
この表の読み方について

上記はプラグイン単体の公式表示に基づく情報であり、テーマや他のプラグインとの組み合わせでの動作を保証するものではありません。同じプラグインでも、インストールされている版が古ければ対応状況は異なります。自院サイトでは、実際に入っている版を管理画面で確認したうえで判断してください。

特に注意したいのが、予約・問い合わせフォームに使われる2つのプラグインです。Contact Form 7は、最新版(6.2系)からPHP 8.3以上・WordPress 7.1以上が必須になりました。PHP 8.2以下のままでは最新版に更新できず、古い版を使い続けることになります。一方、MW WP Formは開発が必要最小限の保守のみとなっており、動作確認済みWordPressは6.4.14で止まっています。フォームは患者様の予約・問い合わせを受ける生命線ですから、この2つを使っている病院サイトは、PHP更新と同時にフォームの今後の方針も検討が必要です。

過去によく使われていたプラグインは要注意

開設から10年以上経つ病院サイトでは、当時定番だったものの、現在は更新が止まっているプラグインが残っていることがあります。更新が止まったプラグインは、新しいPHPで動かないだけでなく、脆弱性が修正されないままになるため、セキュリティ上のリスクにもなります。

たとえば、My Link Order、Similar Posts、WP Social Bookmarking Lightは、2022年の検証でPHP 8.1に対応していなかったと報告されています。[5]このほか、Ktai Style(携帯電話向け表示)、Head Cleaner、旧All in One SEO Pack(v3系)など、かつての定番プラグインの多くが更新を終えています。

更新が止まったプラグインの見分け方

  • 最終更新日が2年以上前:WordPress.orgのプラグインページで「最終更新」を確認します。公式ディレクトリでは、長期間更新のないプラグインに「最新3つのメジャーリリースで未テスト」などの警告が表示されます。
  • 動作確認済みWordPressが古い:現行のWordPressから大きく離れたバージョンで止まっている場合、新環境での検証が行われていません。
  • 公式ディレクトリから削除されている:プラグイン名で検索してもページが見つからない場合、セキュリティ問題などで公開停止になっている可能性があります。

「動いているから残す」が一番危険です

更新が止まったプラグインでも、現在のPHPでは一見正常に動いていることがあります。しかし、PHPを上げた瞬間にエラーで画面全体が表示されなくなる、管理画面に入れなくなる、という形で問題が表面化します。使っていないプラグインは削除する、使っているものは更新が続く代替プラグインへ移行するのが基本の考え方です。ただし、フォームやカスタムフィールドなどデータを持つプラグインの移行は、過去の問い合わせデータや入力項目の引き継ぎ設計が必要で、単純な入れ替えでは済みません。移行の影響範囲が読めない場合は、作業前に専門家へ相談することをおすすめします。

病院サイトでPHPを上げるときの進め方

確認が済んだら、実際の作業です。病院サイトでは「順番」が特に重要です。思いつきでPHPだけを切り替えるのではなく、次の順序で進めます。

PHPバージョンアップの基本手順(この順番で進めます)

  1. バックアップを取る:ファイルとデータベースの両方を取得し、戻せる状態を確保します。サーバーの自動バックアップだけに頼らず、復元手順も確認します。
  2. 検証環境を用意する:本番サイトの複製(ステージング環境)で動作を確認します。サーバーによってはステージング機能が用意されています。
  3. WordPress本体を更新する:早見表で確認した「目標のPHPに対応する本体バージョン」まで更新します。
  4. プラグイン・テーマを更新する:更新が止まっているものは、この段階で代替への移行や削除を判断します。
  5. PHPを切り替える:サーバーの管理画面で目標のバージョンへ切り替えます。多くのサーバーでは、不具合時に元のバージョンへ戻すことができます。
  6. フォームの送信テストを行う:表示確認だけでなく、予約・問い合わせフォームの送信と受信まで必ず確認します(次章で詳しく説明します)。

病院ならではの「段取り」を忘れずに

手順そのものに加えて、医療機関では作業の段取りが重要です。万一の不具合が診療時間中に起きないよう、作業は休診日や診療時間外に設定します。院長・事務長など決裁者の承認を事前に得ておくこと、不具合時にすぐ連絡できるよう制作会社やサーバー会社の窓口を確認しておくことも大切です。また、同じサーバーに採用サイトや健診センターのサイトなど別のサイトが同居している場合、PHPの切り替えがそれらにも影響することがあります。対象になるサイトをすべて洗い出してから作業しましょう。

検証環境がない、手順に不安がある場合は

「ステージング環境の作り方が分からない」「本番サイトで直接作業するしかない」という状態での作業は、予約フォーム停止のリスクが高くなります。当サイトでは、病院・クリニックのWordPressサイトを対象に、検証環境の準備からPHP切り替え、フォームの動作確認までを代行しています。無料相談はこちらからお気軽にご連絡ください。

予約・問い合わせフォームの確認ポイント

病院サイトのPHP更新で最も重要な確認対象が、予約・問い合わせフォームです。トップページが正常に表示されていても、フォームだけが壊れているケースは珍しくありません。しかもフォームの不具合は、患者様が送信に失敗して初めて分かることが多く、発見が遅れがちです。PHP切り替え後は、次の5点を実際に操作して確認します。

  • 送信できるか:必須項目を入力して送信し、完了画面まで進むことを確認します。確認画面付きのフォームは、確認画面から戻る操作も試します。
  • 自動返信メールが届くか:患者様に届く自動返信が、文面・差出人名を含めて正しく送られるかを確認します。
  • 管理者宛メールが届くか:受付担当者のメールアドレスに通知が届くかを確認します。届かない場合、予約・問い合わせに誰も気づけない状態になります。
  • 保存データを確認する:フォームのデータをサイト内(データベース)に保存する設定になっているかを確認します。問い合わせ内容には症状などの要配慮個人情報が含まれることがあり、保存している場合は、その管理方法も含めた点検が必要です。
  • スパム対策の動作:reCAPTCHAや画像認証などのスパム対策が、更新後も正しく機能しているかを確認します。認証が壊れると、正規の患者様が送信できなくなることがあります。

前述のとおり、Contact Form 7の最新版はPHP 8.3以上が必須になり、MW WP Formは必要最小限の保守のみです。フォームプラグインの移行が必要になった場合は、入力項目・自動返信の文面・送信先の設定を新しいフォームへ正確に引き継ぐ設計が必要です。予約システムとの連携がある場合はさらに確認項目が増えるため、フォーム移行を伴うPHP更新は、医療機関サイトの実務に慣れた専門家と進めるほうが安全です。

作業前・作業後のチェックリスト

ここまでの内容を、作業前・作業後に使えるチェックリストとして整理しました。印刷して、院内の承認や制作会社との打ち合わせにもご活用ください。

  • 【作業前】WordPress本体・PHP・テーマ・プラグインの現在のバージョンを一覧にした。
  • 【作業前】早見表で「今のWordPressで上げられるPHPの上限」を確認した。
  • 【作業前】各プラグインの必須PHP・動作確認済みWordPress・最終更新日を確認した。
  • 【作業前】更新が止まっているプラグインの扱い(削除・代替移行)を決めた。
  • 【作業前】ファイルとデータベースのバックアップを取得し、復元手順を確認した。
  • 【作業前】検証環境(ステージング)で目標バージョンの動作を確認した。
  • 【作業前】作業日時を休診日・診療時間外に設定し、院長・事務長の承認を得た。
  • 【作業前】同じサーバー上の別サイト(採用サイト・健診センターなど)の影響を確認した。
  • 【作業後】主要ページ(トップ・診療案内・アクセス・医師紹介)の表示を確認した。
  • 【作業後】予約・問い合わせフォームの送信・自動返信・管理者宛メールを確認した。
  • 【作業後】管理画面へのログインと、お知らせ投稿・編集の動作を確認した。
  • 【作業後】エラーログを確認し、警告が出ていないかを数日間継続して確認した。

こんな病院サイトは、自院だけで判断するのは危険です

ここまでの手順は、WordPressの管理に慣れた担当者がいることを前提にしています。しかし実際の病院・クリニックでは、ホームページの管理が特定の職員や外部の制作会社に長く任されたままで、「今どうなっているか誰も分からない」状態になっていることが少なくありません。次の項目を確認してみてください。

  • WordPressやPHPのバージョンが分からない。管理画面のどこで確認するのかも分からない。
  • 制作会社と連絡が取れない。または保守契約が切れている。
  • 制作会社が作ったオリジナルテーマを使っている。
  • 予約・問い合わせにMW WP Formや古いContact Form 7を使っている。
  • 最終更新が数年前のプラグインが入っている。
  • 検証環境がなく、本番サイトで直接作業するしかない。
  • 同じサーバーに採用サイトや健診センターのサイトがある。
  • サイトの更新を担当していた職員が退職した。
  • 年末年始の休診案内を、いつも直前になって慌てて掲載している。

2つ以上当てはまる場合は、自院だけで作業せず、専門家への相談をおすすめします。特に「オリジナルテーマ」「古いフォームプラグイン」「検証環境なし」の組み合わせは、PHPを切り替えた瞬間にサイト全体が表示されなくなり、戻すこともできなくなる典型的なパターンです。病院サイトの停止は、患者様の受診機会の損失と受付業務の混乱に直結します。「動かなくなってから」ではなく「動いているうちに」相談することが、結果として費用も院内の負担も小さく抑えます。

よくある質問

Q. 10月の脆弱性対応でPHP 8.2に上げたばかりですが、また上げる必要がありますか?

A. はい、年内にもう一度の判断が必要です。PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日で終了するため、2027年以降は新しい脆弱性が見つかっても修正が提供されません。10月の対応は「緊急の修正版への更新」、今回は「サポートが続くバージョンへの移行」という別の作業です。WordPress 6.4以降であればPHP 8.3以上へ移行できますので、本記事の早見表で自院の上限を確認してください。

Q. 管理画面に「PHPの更新が必要です」と表示されています。すぐに切り替えてよいですか?

A. すぐにサーバー側でPHPを切り替えるのは待ってください。この表示は「サーバーのPHPが古い」ことを知らせるものですが、切り替えて安全かどうかは、WordPress本体・テーマ・プラグインの対応状況によって決まります。バックアップと検証をせずに切り替えると、画面が表示されなくなったり、フォームが止まったりするおそれがあります。本記事の手順(バックアップ→検証→本体→プラグイン→PHP→フォームテスト)の順で進めてください。

Q. Contact Form 7が更新できなくなりました。どうすればよいですか?

A. Contact Form 7の最新版(6.2系)は、PHP 8.3以上・WordPress 7.1以上が必須です。この条件を満たさない環境では最新版に更新できず、古い版を使い続けることになります。古い版のまま放置すると、脆弱性が見つかった場合に修正を受け取れません。根本的な解決には、WordPress本体とPHPを最新版の必須条件まで引き上げる必要があります。引き上げられない事情がある場合は、その事情(古いテーマなど)ごと解消する計画を立てることをおすすめします。

Q. MW WP Formを予約フォームに使っています。使い続けてよいですか?

A. 当面は動作していても、中長期的には移行の検討をおすすめします。MW WP Formは必要最小限の保守のみとなっており、動作確認済みWordPressは6.4.14で止まっています。今後のWordPress・PHPの更新で動かなくなっても、修正が提供されない可能性があります。移行の際は、入力項目・確認画面・自動返信の文面・保存データの扱い(症状などの要配慮個人情報を含む場合があります)をあわせて見直す必要があるため、計画的に進めてください。

Q. PHPを上げたら画面が真っ白になりました。どうすればよいですか?

A. まず、サーバーの管理画面からPHPを元のバージョンに戻してください。多くのレンタルサーバーでは、PHPの切り替えは数分で元に戻せます。画面が真っ白になるのは、テーマまたはプラグインのいずれかが新しいPHPに対応していないことが主な原因です。元に戻して表示が復旧したら、どのテーマ・プラグインが原因かを検証環境で特定してから、再度計画を立てます。戻しても復旧しない場合は、それ以上操作せず、バックアップからの復元を含めて専門家へご相談ください。

Q. 使っているテーマ自体が更新されていない場合の対処法は?

A. テーマの種類によって対処法が変わります。WordPress公式ディレクトリや国内外のテーマ販売元で配布されているテーマであれば、まず最新版への更新や、同じ開発元の後継テーマへの乗り換えを検討します。一方、制作会社が作ったオリジナルテーマの場合、更新版は存在しないため、新しいPHPに対応させるにはテーマのプログラム自体の改修が必要です。改修には専門的な調査と修正作業が伴い、テーマの作りが古いほど費用がかさむため、サイトの年数によっては、改修して延命するより現行環境に対応したテーマで作り直す(リニューアルする)ほうが、費用対効果が高いこともあります。どちらが合理的かはテーマの状態を調査しないと判断できませんので、見た目に問題がなくても、PHP更新の前にテーマの診断を受けることをおすすめします。

Q. どこまで上げられるか分からない状態でも相談できますか?

A. はい、ご相談いただけます。ホームページのURLと、契約しているサーバー会社名(分からなければ契約書類や請求書に記載があります)をお知らせいただければ、現状の確認から始められます。WordPressやPHPのバージョンが分からない、管理画面に入れるかどうか不明、という状態からのご相談も多くいただいています。「何が分からないのかも分からない」段階でも問題ありません。

Q. 作業中にホームページや予約受付が止まることはありますか?

A. 止まる時間を作らないことを前提に進めます。本番サイトをいきなり変更するのではなく、検証環境で事前に動作を確認し、問題がないことを確かめてから、休診日や診療時間外に本番を切り替えます。PHPの切り替え自体は短時間で完了し、万一不具合が出た場合もすぐに元のバージョンへ戻せるよう準備したうえで作業します。切り替え後は、予約・問い合わせフォームの送信テストまで行って完了とします。

まとめ:年内に「どこまで上げるか」を決めましょう

本記事の要点は、次の3つです。

病院WordPressサイトのPHPバージョンアップ・3つの要点

  1. PHPを上げられる上限は、WordPress本体のバージョンで決まる。WordPress 6.3以前のままでは、2027年以降もサポートが続くPHP 8.3以上に上げられません。PHPより先に本体の更新が必要です。
  2. プラグインの「必須PHP」は下限の表示で、新しいPHPでの動作は保証されない。動作確認済みWordPress・最終更新日・変更履歴をあわせて確認します。Contact Form 7はPHP 8.3以上が必須になり、MW WP Formは必要最小限の保守のみです。
  3. PHP 8.2は2026年12月31日でサポート終了。年末年始の休診案内で忙しくなる前に、「どこまで上げるか」「誰が作業するか」の方針を決めましょう。

手順どおりに進めれば、PHPのバージョンアップ自体は難しい作業ではありません。しかし、テーマ・プラグイン・フォーム・サーバー設定の組み合わせは1院ごとに異なり、その組み合わせで安全に上げられるかを自院だけで確認するのは、決して簡単ではありません。特に、オリジナルテーマのサイト、古いフォームプラグインを使っているサイト、検証環境のないサイトでは、確認そのものに専門的な調査が必要です。次章では、そうした病院・クリニックのために当サイトが提供しているサポートをご案内します。

病院&クリニック専門だからできる、PHP・WordPress更新サポート

当サイト(病院&クリニック専門ネット集患サポートセンター)では、医療機関のホームページに特化して、PHP・WordPressの更新作業を代行しています。一般の制作会社との違いは、「医療機関の運用を止めない」ことを前提に作業を組み立てる点です。

当サイトに相談するメリット

  • 医療機関の運用を前提に作業を組みます:休診日・診療時間外での切り替え、予約受付を止めない手順設計など、診療への影響を最小限にする段取りで進めます。
  • フォームの移行まで一貫して対応します:MW WP Formや古いContact Form 7からの移行時には、入力項目・自動返信の文面・要配慮個人情報の取り扱いまで見直します。
  • 医療広告ガイドラインの観点でも点検します:更新作業とあわせて、掲載内容が医療広告ガイドラインに照らして問題ないかの確認もできます。
  • 「改修か、リニューアルか」を中立に判断します:WordPress 6.3以前やオリジナルテーマのサイトについて、延命の費用とリニューアルの費用を比較し、貴院にとって合理的な選択肢をご提案します。
  • 更新後も保守・運用代行で継続的に守ります:今回のような期限対応を毎年院内で抱え込まなくて済むよう、運用代行による継続的な保守もご利用いただけます。
年内のPHPサポート終了前に、自院サイトを確認しませんか

PHP 8.2のサポートは2026年12月31日で終了します。病院・クリニック専門の立場で、貴院のサイトがPHPをどこまで上げられるか、どのプラグインに注意が必要かを整理してご報告します。年末の繁忙期に入る前の、お早めのご相談をおすすめします。

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参考資料・関連コラム

本記事は一般的な情報提供であり、個別の環境での動作を保証するものではありません。PHP・WordPress・各プラグインの対応状況は更新されるため、作業時には必ず最新の一次資料と、自院サイトに実際にインストールされている版をご確認ください。

  1. IPA(情報処理推進機構):PHPの脆弱性対策について(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)。修正版(PHP 8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12)の案内を参照。
  2. PHP公式:Supported Versions。各ブランチのセキュリティサポート期限を参照。
  3. WordPress公式:PHP Compatibility and WordPress Versions。WordPressバージョン別のPHP互換表を参照。
  4. WordPress.org 各プラグイン公式ページ:Contact Form 7/MW WP Form/SiteGuard WP Plugin/XO Securityほか(2026年11月3日確認)。
  5. シナゲート:WordPressのPHP8への対応状況。PHP 8系で動作しなかったプラグインの検証報告を参照。